風茶房 つのるなか

https://scrapbox.io/kazesabou/「細見綾子・沢木欣一 俳句アーカイブ」よろしくお願いします

『沢木欣一 十七文字の燃焼』と『沢木欣一評論集』

今年、出版された沢木欣一に関連する書籍が二つあります。

沢木欣一関連書籍

『沢木欣一 十七文字の燃焼』荒川英之著(翰林書房)

『沢木欣一評論集』「伊吹嶺」俳句会編(小学館スクウェア

『沢木欣一 十七文字の燃焼』は『沢木欣一の百句』の著者でもいらっしゃる荒川英之さんが執筆なさった欣一の研究書。
『沢木欣一評論集』は欣一のお弟子さんだった栗田やすしさんが立ち上げられた俳句結社「伊吹嶺」による出版で、欣一の主要俳論を収めた評論集です。こちらの書籍の編集でも荒川英之さんは尽力されています。

どちらも欣一俳句や文学的姿勢、欣一の提唱した社会性俳句の真の理解のためには必読本となります。じっくり読むには購入をお勧めしますが安い本ではないです。各図書館や細見綾子生家でも読めるようになりますので、ぜひお手にとって読んでいただきたいです。
また、注意深く読むと『沢木欣一 十七文字の燃焼』で荒川さんの作成した年表からは、通常では知られていない事実も浮かび上がってきます。遺族としては家族史の検証としていたく感涙いたしました。

今、「細見綾子・沢木欣一 俳句アーカイブ」の作成をしていて、つくづく思うのですが、沢木欣一の俳句は難解なものが多いということです。
このブログで個別に掲載してきた俳句は分かりやすいタイプの俳句ばかりでした。それは私自身の教養のなさによるものです。
アーカイブでは句集に収められた全俳句を載せますので、難しいからと言って避けるわけにはいきません。アーカイブでは句の鑑賞まではしていませんが、俳句の読み方と季語を正確に記すためには、言葉の意味と詠んだ背景を調べることは必要です。また、個人的な理解と勉強のためにも難解語句は調べますし、忘れるので調べたことはアーカイブに書いています。知りたい気持ちがある人と情報が共有できれば嬉しいです。
調べて、言葉の意味の深さを知ると感動がやってきます。「すごい俳句だったんだ」と何度呟いたことか。

一例を挙げます。

「さながらに羽化登仙の山霞|沢木欣一|昭和46年作」

この句には「深田久弥氏の急逝を悼んで、三句」という前書が付いています。
深田久弥さんは、小説家、随筆家、登山家として知られている方です。欣一や綾子とは昭和20年代から交流があり、句会や欣一主宰の俳句結社誌「風」への登場もありました。
「羽化登仙」の言葉が使われていますが、この熟語の意味と同時に「登仙」の意味も知り、親交のあった登山家の急逝を悼む俳句として、これ以上のものはないのではないかと思いました。ご興味ありましたらリンク先をご覧ください。

アーカイブの作成状況は現在3割超えたくらいでしょうか?
7,400ページを超えているのですけれども。。

荒川英之さん、山崎祐子さん、塩澤一洋先生のご協力に深く感謝いたしております。