風茶房 つのるなか

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銀杏拾ふ嫗知らざり子規の寺 沢木欣一

銀杏拾ふ嫗知らざり子規の寺 沢木欣一

銀杏拾ふ嫗知らざり子規の寺 沢木欣一

平成6年の俳句で、「田端、大竜寺 四句」の前書があるうちの一句です。

嫗は「おうな」と読み、老女のことです。
東京都北区田端にある大龍寺(龍の字が正式)には、俳人歌人正岡子規のお墓があるそうです。
銀杏拾いに精を出す老女がいて、子規の墓のある寺を知らなかったというだけのことですが「知らない」ことへの驚きが感じられます。
俳句をやらなくても世の人が知っている俳人といえば、芭蕉、一茶、子規ではないでしょうか。「知らない」ことが大袈裟に言えば、俳句の認知度の低さのように感じられたのかもしれません。

俳句に命を懸けた欣一でしたから、命をつなぐための食物である銀杏を拾っている老女に否定的になるはずはなく、子規の墓にも負けない価値を見たと思います。

俳句に命を懸けた、というのはkazeから聞いた言葉でして、正確にお伝えすると「沢木欣一と細見綾子は命を懸けて俳句をやっていた」です。