風茶房 つのるなか

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絶えぬ間に見たし秩父の藤袴 沢木欣一

絶えぬ間に見たし秩父の藤袴 沢木欣一

絶えぬ間に見たし秩父藤袴 沢木欣一

平成7年の俳句です。

秋の七草(ハギ、ススキ、クズ、ナデシコオミナエシ、フジバカマ、キキョウ)の中で一番見かけないのは、この藤袴だと思います。藤袴は準絶滅危惧種に指定されています。全国的に自生地が無くなってきて、野生のものを見つけるのは難しくなりました。

妻・綾子の出身地、兵庫県での様子になりますが、丹波新聞が平成25年(2013年)に「秋の七草が三草になってしまう?」という興味深い記事を載せています。

秋の「七草」「三草」に? キキョウ、フジバカマ絶滅の危機 | 丹波新聞

 

昭和62年8月下旬、欣一は秩父を訪れました。
このとき「長瀞秋の七草寺」の 不動寺の撫子遍照寺の葛 などは見ましたが、法善寺の藤袴は花期がまだで見られなかったと思います。
この俳句は、その時のことを思い出しているのかもしれません。
また、自生の藤袴秩父のどこかにあって、欣一はそれを誰かから聞いたという可能性もあります。自生地があったとしたら、その貴重な情報は盗掘を避けるために表には出てこないでしょうが、欣一の耳には入ったかもしれません。

自生地は無くなっていくとしても、欣一の見たかった野生種の藤袴は、人々の手によって植えられ育てられ守られて、残っていくことは可能です。

京都の「藤袴祭」の活動が知られています。

秋の七草のひとつである京都の藤袴(フジバカマ)おすすめスポット8選 - MKメディア


なお、通常、園芸店で売られている藤袴はニセフジバカマとも言われるコバノフジバカマです。葉の様子と茎や花の色で見分けることができます。
写真の藤袴は管理されて植えられたもので野生種の本物だと思います。