2021-09-09 萌黄なる秋明菊の雌蘂かな 細見綾子 俳句 萌黄なる秋明菊の雌蘂かな 細見綾子 平成7年の俳句です。 今日は重陽の節句ですが、王道の菊とはだいぶ違った雰囲気の秋明菊です。それもそのはず、秋明菊はアネモネの仲間でキンポウゲ科なんです。 目を引くのは卵の黄身のような鮮やかな黄色の雄蘂ですが、綾子はその中にある雌蘂を詠いました。萌黄は春に萌え出る草の芽をあらわす黄緑色のことです。秋明菊という名を持つ秋の花がこの色を持っていることへの感動があったのかと思います。 美しい漢字が3つ並んでいるのも素敵です。