風茶房 つのるなか

https://scrapbox.io/kazesabou/「細見綾子・沢木欣一 俳句アーカイブ」よろしくお願いします

試歩に出て木槿の白をよろこべり 沢木欣一

試歩に出て木槿の白をよろこべり 沢木欣一

試歩に出て木槿の白をよろこべり 沢木欣一

平成元年の俳句です。

『乱世の俳人 沢木欣一の世界』山田春生著(紅書房)の「句のある欣一年譜」によれば、この句の詠まれた背景は、
「九月六日、綾子に病院の玄関わきの木槿(むくげ)の花を見せる。綾子、一ヵ月ぶりに土を踏む。」とあります。
妻・綾子は一ヵ月前に心筋梗塞で緊急入院していたのです。

綾子は木槿の中でも白の木槿に特別な思いを持っていたようで、知られている俳句では、「白木槿嬰児も空を見ることあり」があります。

病気が良くなり、ようやく自分の足で立って外気を感じ、夫に案内されて目に入ったのが好きな花の好きな色だったら、それは嬉しいと思います。
綾子は白の輝きから何を感じたのでしょうか。

そして本日、9月6日は綾子の命日で、亡くなったのは平成9年、90歳でした。