昭和33年の俳句です。
綾子は『自註現代俳句シリーズ 細見綾子集』に、「子供はよく蜂にさされて手足を腫らした。白い薬を塗ったり、ほうたいをしたり、治る頃には夏休みが終わっていた。」と書いています。
当時、子供は8歳のわんぱく盛りです。相当ヤンチャだったらしいので、一度刺されても、二度と刺されないようにと過ごすことはなかったのですね。
子供が蜂に刺されるというのは騒ぎ立てる案件ですが、綾子は腫れが治ったところで安堵し、夏の終わりを見つめました。
「終る」の一言で止めたのは、蜂の動きと子供の腫れ、そして夏の気配です。
子供の夏休みには危なっかしい冒険もあっただろうし、たくさんの楽しい時間がありました。そして夏休みは終わるのです。
季節の変わるさみしさを微かに感じさせる、その微か具合がすごいと思います。
夏の俳句ですが、今日が夏休みの最後という地域も多いようなので本日掲載しました。