風茶房 つのるなか

https://scrapbox.io/kazesabou/「細見綾子・沢木欣一 俳句アーカイブ」よろしくお願いします

昼の暑さが雲に残りて赤い色 細見綾子

昼の暑さが雲に残りて赤い色 細見綾子

昼の暑さが雲に残りて赤い色 細見綾子

昭和10年の俳句で、立風書房から出た『細見綾子全句集』(昭和54年発行)に補遺(句集未収録作品)として掲載されました。

今日の夕方に撮った写真です。空が焼けているのとは違って、赤くなった小さな雲が浮かんでいて、あまり見ない感じだと思って見惚れていました。
ここ数日続いているように昼間は酷暑でしたが、この写真の頃には秋風を感じました。

この俳句のことは知らず、帰宅後に「残暑」が季語の句を調べていて知ったので、ちょっと感動しました。私の見た秋の空を綾子が先に詠んでいて、補遺として掲載されたために知ることができたのです。

この俳句の季語は「暑さ」で夏の俳句だ、という見方もあるでしょう。『綾子俳句歳時記』(東京新聞出版局)ではそのようにされています。一方、『細見綾子全句集』(角川学芸出版)では「残暑」が季語で秋の俳句になっています。

「昼間の暑さは夕方には和らいだけれど、雲が赤くなって、そこに夏の名残があった」というのは、詩的な発見のある素敵な秋の俳句だと思います。