風茶房 つのるなか

https://scrapbox.io/kazesabou/「細見綾子・沢木欣一 俳句アーカイブ」よろしくお願いします

空見上げなつめの青さいつまでも 細見綾子

空見上げなつめの青さいつまでも 細見綾子

空見上げなつめの青さいつまでも 細見綾子

平成7年の俳句です。

綾子は棗(なつめ)の木が好きだったようです。
生まれ故郷の丹波、療養先の大阪、欣一との結婚後に住んだ金沢、そして最後の住まいとなった武蔵野で棗の木や花や実の俳句を詠んでいます。

武蔵野の家では綾子が旅先で拾ってきた棗の実を庭に埋めまして、それは6~7メートルの樹高にまで育ちました。実付きの良い年には何千という果実が生り、熟した実が道路に落ちて車や人に踏まれて潰れ、アスファルトに張り付いてしまって掃除が大変だったことも今はいい思い出です。可愛い少年猫たちが木登りをする木でもありました。(猫の木登りにご興味があればこちらをご覧ください。=・ω・=

この句は全句集に収められた最後の棗の俳句で、綾子は当時88歳です。
「青さいつまでも」と詠っていますが、青い実はやがて熟して光沢のある赤茶色になります。いつまでも青く、とは何を意味するのか、願いだったのか、考えてみたいと思います。

Twitterで知った方の訃報を聞きました。求心的な心のある写真を撮る方でした。ここで静かにご冥福をお祈りいたします。