風茶房 つのるなか

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紅色につやゝかに蜘蛛の子がゐたり 細見綾子

紅色につやゝかに蜘蛛の子がゐたり 細見綾子

紅色につやゝかに蜘蛛の子がゐたり 細見綾子

昭和5年の俳句です。

綾子が俳句を作り始めて間もない頃の俳句で、生まれ故郷の丹波での作品になります。
『自註現代俳句シリーズ 細見綾子集』には、「うす紅い色をしてつやつやとして蜘蛛の子がじっとしていた。」と書いています。
この句に続くのは、

 死ぬふりを子蜘蛛ながらにしてみする 細見綾子

蜘蛛は身近な生きものですが、このときの蜘蛛が何だったのかは定かではありません。子蜘蛛が紅い種類は、シロスジショウジョウグモ、コクサグモ、クサグモなどのようで、写真はクサグモの幼体です。

綾子は蜘蛛の子の発見に感動しています。
私は珍しい5枚の総苞片を持つドクダミを何回も見に行っていて、今日はまず蟻が来て、次にこの子蜘蛛が来たので、写真を撮りながら感動に震えてしまいました。それはそれは美しいコントラストだったのです。
ドクダミの上で蜘蛛の子に出会えたことを天に感謝しました。これは、生きているからこその体験であって、そういう気持ちが綾子のこの俳句からもうかがえます。