風茶房 つのるなか

https://scrapbox.io/kazesabou/「細見綾子・沢木欣一 俳句アーカイブ」よろしくお願いします

桜咲きらんまんとしてさびしかる 細見綾子

桜咲きらんまんとしてさびしかる 細見綾子

桜咲きらんまんとしてさびしかる 細見綾子

昭和22年の俳句です。

綾子の桜の俳句の中で一番好きな句です。
『自註現代俳句シリーズ 細見綾子集』では、「桜の盛り、らんまんとした盛りであるのにさびしさがあふれる。桜の花はそういう花か。」と書いています。
桜は客体であって、綾子の意識がそのように見させたわけですが、桜をさびしいとしか見られない時が誰にでもあると思います。例え、幸せであっても。
綾子はこの俳句を感傷的には詠んでいません。客観視しています。そこが素晴らしいと思います。そして、人はさびしいと思う自分の心情を振り返ることができます。